ソムリエに訊く!ワインの当たり年ってどういうこと?

「2015年は◯◯ワインの当たり年なので、オススメです。」こんな会話をレストランやショップでされたことはありませんか?

年により評価が異なることもワインの特徴です。

でも俗にいうこの「当たり年」とは一体なんなのでしょうか?
ソムリエに訊いてきました。

当たり年とは?

「当たり年」とは一般的には美味しいワインのできた年のことです。

ワイン業界では原材料となるぶどうの収穫された年のことをVintage(ヴィンテージ)と呼んでいます。「当たり年」のことをGreat Year(グレイトイヤー) 、Big Vintage(ビッグビンテージ)なんて呼ぶこともしばしば。

さて、この「当たり年」、ぶどうの生産において適した天候だった年が「当たり年」となります。当然地域により異なり、これらの年代×地域をまとめたものをVintage Chart(ヴィンテージチャート)と呼び、様々な評論家が独自の視点や採点項目により作成しています。

参考までにフランスボルドー地方では、1982年、2000年、2005年、2009年、2015年が当たり年と言われています。(その他多数ありますが、その中でもよく取り上げられる年に限定しております)

当たり年以外のワインはどうなの?

最近では天候が悪い年を「冷涼ヴィンテージ」なんて言葉を使ったりもするそうです。
では、冷涼ヴィンテージのワインは美味しくないのでしょうか?

ここで改めて「美味しいワイン」に影響を与える要因について教えてくれました。
ワインには「天地人」という考え方があるそうです。

天・・・天候
地・・・土壌
人・・・人がかける手間ひま

天候がいいだけでは美味しいワインはつくることはできません。
逆に、天候が悪くても「人」の力により美味しいワインを作ることも可能となります。

昔は技術が足りず、天候の影響は非常に大きい部分を占めていました。しかし、近年ではピンポイントで天気が分かるようになり、悪天候に対する対策を練ることも可能となりました。生産者の努力により「当たり年」でなくても、十分美味しいワインが楽しめるようになってきているそうです。(とは言うものの、雹害など、分かっていても防ぐことのできない天災は今でも生産者を苦しめています)

まとめ

年により味わいに変化があるのがワインですが、多数収穫され、また長期熟成に向くワインに対して「当たり年」というような単語が生まれています。しかし、その年にはその年の良さがあり、生産者たちの工夫が施されています。Vintage チャートはあくまで参考に、こうした背景を複合的に判断しながらソムリエはワインを選別しているとのことです。

「最終的には、「当たり年」は味が濃い(タンニンが強い)とみるとよいかもしれないですね。評価されていない年は美味しくないのでなく、さっぱり控えめな傾向は多いかも。」

年代を飲み比べてお好みの1本を探すのもワインの楽しみ方ですね。




余談ですが、「当たり年」について訊くと何やら大きな本をソムリエは持ってきてくれました。タイトルは「ボルドー」。ボルドーワインについて、シャトー毎、年代毎の著者の評価が網羅されている本とのことでした。

フランスのひとつの地方のワインについてだけで、これだけ分厚い本ができあがることに、ワインとは改めて歴史があり味わい深い世界なのだということを認識させられました。

聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一