HRTech 2021年1月25日 無料でつくれる採用HPの効果とは インターネットの普及とともに、求職者は企業の判断材料として企業ホームページ(以下、公式HP)を重視するようになりました。自社にとって最適な人材を確保するため、公式HPに加えて詳細な求人情報を発信する「採用ホームページ(以下、採用HP)」を構築する必要性が高まっています。近年は採用HPを無料または安価でつくることができるサービスも生まれています。本記事では採用HPの重要性と、無料でもつくれるHPの効果について解説していきます。 [目次] 採用HPは企業にとってなぜ重要なのか 無料でつくれる採用HPを活用するメリット 無料の採用HPで期待される効果とは 人材確保に、無料採用HPの活用のすすめと注意点/まとめ 採用HPは企業にとってなぜ重要なのか 企業が自社の公式HP以外に採用HPを特設する理由は、公式HPや求人広告では表現しきれない自社の魅力をアピールできる点にあります。 ・自社の魅力をもれなくアピール 企業が運営する公式HPは株主、取引先、消費者他さまざまなステークホルダーに情報を発信する目的で作られているため、バランス上、採用の情報だけを強調することはできません。そのため掲載情報も網羅的になります。 求職者がより深く企業を知ることができる専用の採用HPをつくり、自社の魅力や詳細な情報を発信することで「採用したい人材」に応募してもらえる可能性を高めることができます。 ・入社後のギャップを軽減 これまで公式HPや求人広告に盛り込みきれなかった情報を採用HPに掲載すると、求職者に入社した後のイメージを、リアリティをもって描いてもらうことができます。具体的な業務の流れや職務内容、必ずしも魅力だけでなく厳しい面も触れるなど求職者が本当に求めている情報を発信することで、応募者数を増やせたり、入社後のギャップを少なくする効果もあるでしょう。 無料でつくれる採用HPを活用するメリット 近年は、無料でつくれる採用HPサービスが増えており、多くの企業で活用されています。このサービスを使って採用HPを制作するメリットと期待できるポイントを解説します。 ・制作・運用担当者の負担と費用を削減 一般的なHP制作とは異なり大きな費用をかけなくても社内で簡単に採用サイトを作成することができます。 制作にあたっては、多く用意されているテンプレートを活用するため、クリエイティブなセンスに自信がなくても一定のクオリティに仕上がる点も安心です。一般的にはサイト構築のために必要となる多大な時間を減らせるため、採用担当者の負担も軽減できます。 ・サイトの立ち上げや更新が早い 制作する担当者に専門知識がなくてもスピーディーに採用サイトを立ち上げることができます。応募者の管理や情報の更新(追加や修正)なども即座に多くの時間をかけず、かつ簡単に行えるのもポイントです。 ・求人広告以外で広く人材を募集 無料サービスを活用して制作したページなので、求人情報は「長期掲載」しても費用は必要ありません。掲載期間が自由に設定できるので、自社に興味を持っているスキルの高い応募者からの直接応募の機会が増える事も期待できます。 通年採用にはとても有効でしょう。 無料の採用HPで期待される効果とは 無料でつくれる採用HPには、複数の求人情報が自動的に検索エンジンや大手SNSに掲載されるサービスもあります。Googleが提供するサービスは、ガイドラインの条件を満たせばGoogleの「仕事検索」に掲載されます。 各無料採用HPサービスにはデザイン性、強い求人領域などそれぞれ特性があるため、自社にあうサービスを選択することがポイントです。いずれもコストはかからず、より多くの求職者の目にとまるため応募数増加が期待できます。これまでの課題だった「費用削減」と「応募者の少なさ」を同時に対策できるでしょう。 無料でつくれる採用HPサービスの例 engage https://en-gage.net/ エン・ジャパン運営の無料採用サイト作成サービス。求人検索エンジン対応、SNS連携、スマホ表示に対応しており、採用報酬も無料です。 採用係長 https://saiyo-kakaricho.com/ Indeedをはじめ、6つの求人検索エンジンに採用サイトを一括連携でき、応募者の一括管理も可能です。 MEET SOURCE https://meet-source.com/ シンプルに始められる無料採用サイト作成サービス。Indeed連携可能です。カケハシ スカイソリューションズ運営。 人材確保に、無料採用HPの活用のすすめと注意点/まとめ インターネット、スマートフォンの普及により、情報収集をWebで行うことは今やスタンダードとなりました。企業が望む人材に求人情報に応募してもらうためには、まず求職者とのインターネット上での接点を増やす必要があるため、自社HP以外に無料採用サイトを活用する意義は高いと言えます。 ただ、昨今はコンテンツファーストの時代と言われるように、情報を探す側の目もシビアになってきています。自社でコンテンツを制作し過ぎてしまうと、求職者やユーザーにとって本来の効果とは逆に効果が働いてしまうこともあるので注意しましょう。求職者が本当に知りたい情報、求人広告や公式HPには掲載できない魅力を打ち出し、求職者を惹きつけることが採用HP活用のポイントです。また、一定の客観性をもったコンテンツを外部に制作してもらうことも選択肢として考えておくべきでしょう。 中途採用 採用サイト 新卒採用
人事施策 2020年7月01日 「通年採用」の導入は採用市場をどう変えるのか 新型コロナウイルスの感染拡大は、企業の採用活動にも影響を及ぼしています。具体的には、学生向け合同説明会の中止や採用予定人数の縮小が発生し、就職活動を控える学生に大きな不安を与えています。 こうした状況をふまえ、経済産業省は企業等の関係団体に対し、新規学卒者への「通年採用」や「秋季採用」の導入を要請し始めました。そこで今回は、通年採用へ切り替え始めた一部企業の動向やメリット・デメリットをご紹介するとともに、通年採用が今後の採用市場に与える影響について解説します。 [目次] 日本企業の採用活動の最新動向 「一括採用」から「通年採用」へと動き始めた企業 「通年採用」がもたらすメリット、デメリット 「通年採用」の導入が今後の採用市場に与える影響 まとめ 日本企業の採用活動の最新動向 企業の採用活動において広く定着する「春期一括採用」。企業は短期間で集中的に学生を採用できるため、集団での企業内訓練の実施や知識・技術の習得機会の創出が可能です。また、OECDのレポートによると、2019年の日本の若者(14歳~24歳)の失業率は3.8%と諸外国と比べ低い水準でした。企業が長期雇用を見据える一括採用は、学生側にも一定のメリットがあると考えられます。 参考:OECD Data『Youth unemployment rate』 このように、春期一括採用は日本企業にとって主流の採用方法でした。しかし、現在の情勢から一部の企業では通年採用へと切り替える動きが出ています。KDDIや日立製作所は、2021年度から通年採用を開始すると発表しました。 「一括採用」から「通年採用」へと動き始めた企業 KDDIは2021年度入社の新卒採用から、年間を通じて学生がいつでも応募できる「通年採用」に変更します。また、個々の状況に合わせて入社時期を選べるよう、年2回、4月と10月に入社時期を設けました。 参考:KDDI『2021年度よりKDDI新卒採用で通年採用を開始』 日立製作所の入社時期はさらにフレキシブルで、新設する「デジタル人財採用コース」では原則として卒業から1年以内の入社が可能に。その目的は、各自の自己成長の時間を設けることです。デジタル分野への配属を確約したうえで、卒業後の海外留学や長期ボランティア、自己啓発といった活動を認めています。 参考:日立製作所『ジョブ型人財マネジメントの実現に向けた2021年度採用計画について』 「通年採用」がもたらすメリット、デメリット 企業側の切り替えが進み始めた「通年採用」には、以下のようなメリットがあります。 ・多様な人財と出会う機会が増える 通年採用は、春季一括採用では得られない人財と出会える可能性があります。第二新卒などの既卒者、日本での就業を希望する外国人の採用に対応しやすくなるからです。 ・期間に縛られず余裕を持って人財を選べる 選考時期にピークがなく、採用活動のリソースに余裕が生まれます。そのため、人事はゆとりを持って人財を見極めることができます。 ・自社の状況に応じた採用活動を行える 自社の経営状況に応じて採用計画を見直し、臨機応変に採用活動を行えます。自然災害や海外市場の影響を受けた急激な景気変動にも柔軟な対応が可能です。 一方、通年採用には人事の業務負荷や難易度が高まるといったデメリットも。人事には、人財採用のプランや募集活動、コスト管理などに通年で取り組む必要性が生じるのです。 「通年採用」の導入が今後の採用市場に与える影響 一括採用の意図は長期雇用を見据えた効率的な人財育成ですが、通年採用には必要なときに必要なポストを任せられる即戦力の人財を獲得する目的があります。企業によっては新卒や中途の区分をなくし、「求職者」として同条件で採用活動を行うこともあり得るでしょう。その場合、就労経験のない学生はこれまで以上にインターンシップなどの学外活動に力を注ぎ始めるかもしれません。 通年採用が広まることで、企業の採用活動の多様化はより一層推進されるでしょう。通年採用は採用市場のあり方を変え、日本の雇用環境全体に多大な影響を与える可能性があります。 まとめ 独立行政法人労働政策研究・研修機構が2018年に公表した調査結果によると、大学生・大学院生の約6割が「通年採用」を行う企業は多い方が良い、と回答しています。もはや通年採用のメリットやデメリットだけで導入を判断する段階ではありません。企業は現在の社会情勢や学生の動向を注視しながら、通年採用の導入を検討するよう求められているのです。 参考:(独)労働政策研究・研修機構『大学生・大学院生の多様な採用に対するニーズ調査』 企業事例 新卒採用 新型コロナウイルス 通年採用