欧米では当たり前!企業の持続的な成長を実現するサクセッションプランの作成

ここ数年、中小企業を中心に事業承継に関するニュースをよく耳にします。中小企業の経営者の平均年齢が高齢化しているにも関わらず、後継者が見つからないために、廃業や事業譲渡をする企業が増加してきています。しかし、できるなら会社を持続させたい経営者の方々も多いのではないでしょうか?今回は後継者問題を解決するサクセッションプランについて、ご紹介します。

サクセッションプランとは

サクセッションプランとは、企業の「後継者育成計画(幹部候補育成計画)」のことです。
企業の持続的な成長と中長期的な企業価値 の向上を確保することを目的として、組織上の重要ポジションを定め、そのポジションに見合った後継者候補を発掘し、育成することをいいます。

企業の競争力を左右する最も重要な経営資源は、人材です。欧米企業ではサクセッションプランが企業の維持・発展の鍵を握ると考えられており、取締役会や経営層の重要な責任として認識されています。

近年、日本でも、多くの企業が後継者計画を策定することは、企業の成長や安定化のために必須であると考えるようになり、上場企業が守るべき行動原則を示した企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)でも、次の社長やCEOをどのように選ぶのか早い段階から計画をつくり、選考過程の議事録を文書で残すよう企業に促す動きがでてきています。

また、将来の状況変化や不測の事態にも適切に対応できるよう、エマージェンシー・プランを含めて様々なシナリオを想定し、後継者計画に取り組んでおくことが望ましいとされています。

サクセッションプラン作成の7つのステップ

サクセッションプランを進めるにあたって重要なことは、対象となるポジションに求める資質・能力・経験を明確にすることや、透明性の高いプロセスを確立することです。

経済産業省のCGS研究会(コーポレート・ガバナンス・システム研究会)によると、後継者計画の策定・運用に取り組むにあたっては、 7つのステップに分けて検討することが有益であるとされています。

1. 後継者計画のロードマップの立案
就任から想定される交代時期に向けて、「いつ頃、誰が、何を行うか」といった大枠の工程やスケジュールを検討し、後継者計画のロードマップを描く。

2. 「あるべき社長・CEO 像」と評価基準の策定
求められる資質(能力、経験、実績、専門性、スキル、人柄など)を議論し、できる限り明確化した上で、客観的な評価基準を定める。

3. 後継者候補の選出
「あるべき社長・CEO 像」や評価基準に照らして、後継者候補を選出する。

4. 育成計画の策定・実施
選出された候補者ごとに、「あるべき社長・CEO 像」や評価基準に照らして、目標レベルに到達するための育成課題を明確化し、育成方針・ 計画を策定・実施する。

5. 後継者候補の評価、絞込み・入替え
後継者候補の状況を定期的にモニタリングし、「あるべき社長・CEO 像」や 評価基準に照らして評価を行い、必要に応じて後継者候補の絞込みや入替えを行う。

6. 最終候補者に対する評価と後継者の指名
取組を通じて数名程度にまで絞り込まれた最終候補者について、「あるべき社長・CEO 像」や評価基準に照らして最終的な評価を行い、その中から自社の経営トップに最も相応しい候補者を後継者として指名する。

7. 指名後のサポート
就任直後から十分にパフォーマンスを発揮できるように、指名後に実際の交代までに一定 の移行期間を設け、その間に引継ぎや社内外の関係者への後継者の周知、ネットワーク作りなど、必要な準備を行うことを支援する。

※参照元URL:
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/cgs_kenkyukai/
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/cgs_kenkyukai/pdf/2_009_05_05.pdf

まとめ

企業において、これからのリーダーとなるべき人材を中長期的視野に立って育成していくことは、その将来を大きく左右します。欧米ではサクセッションプランを重要視しており、社長やCEOだけでなく、その他の幹部ポジションまで作成する企業が増えています。

日本にもサクセッションプランの考え方は浸透してきており、大企業を中心に取り入れられてきています。しかし、実情はなかなか難しい部分もあります。ファーストリテイリングの柳井さんが代表取締役として玉塚氏を任命しながらも数年後に社長に戻ったことや、ソフトバンクの孫さんがニケシュ・アローラ氏を後継者として名指ししながらも、数年後に撤回したりと、過去には様々な出来事があります。
日本を代表するカリスマ実業家でもある孫さんや柳井さんが後継者を誰に任命するのか、今後注目ですね。