人生100年時代!これからの日本に求められる人材マネジメントとは?(1)〜今起きている3つの環境変化〜

世界中で長寿化が進み、人生100年時代が到来すると言われています。これまでのライフスタイルとは全く異なる人生設計を各自が考えなければならない時代になってきました。政府でも「人生100年時代構想会議」から学び直しの支援や高齢者雇用の促進などを含む「人づくり革命基本構想」が発表され、企業に求められる人材マネジメントにも変化が訪れてきています。これからの日本に求められる人材マネジメントを数回に渡りご紹介します。

日本の人材マネジメントを取り巻く状況

2019年5月に政府が発表した高年齢者雇用安定法の改正案では、65歳以上の希望する労働者に対し70歳までの雇用確保を努力義務として企業に求める骨格が示されました。平均寿命が伸び、長期のライフプランを念頭に社会で活躍していくことが求められるようになってきています。
一方、日本を代表する企業であるトヨタ自動車の豊田章男社長や、経団連の中西宏明会長から、終身雇用の維持を守っていくことは難しい局面にあるとの見解が示されたことが話題になりました。いよいよ日本型雇用制度の大きな特徴であった終身雇用制度が真に終わりを告げようとしています。

そして、日本的な雇用慣行のもう一つの特徴であった、新卒一括採用も終わりつつあります。

日本企業は、これまで長期的安定的に人材を雇用することで同じ価値観を共有する高い集団的能力を発揮し、その競争力を強化してきました。しかしながら、「グローバル競争の激化」「デジタル化の進展」「急激な少子高齢化」によって、経営を取り巻く環境が大きく変化する中で、その優位性は低下してきています。

日本企業が世界を席巻していた時には様々シーンで参考にされていた日本型の人材マネジメントは大きな転換期を迎え、変革が求められています。

今起きている3つの環境変化

今、日本のビジネス環境には以下3つの変化が起きています。

グローバル
戦後、人口が増加し続けていた日本の国内市場は世界的にみても小さくない市場であり、国内だけでもそれなりの規模のビジネスを展開することができました。しかし、少子高齢化に伴い、人口減少が進んでいます。国内市場も、今後の拡大を見込むことは難しくなってきています。企業が持続的に成長をしていくためには、高成長している海外マーケットの開拓や取り込みが必要とされてきています。

デジタル
AIに代表されるようなテクノロジーの進歩は著しく、これまで常識となっていた慣習が次々と破壊されています。不確実な経済・社会情勢において、最先端テクノロジー技術をビジネスに活用すること、また、蓄積されていくデータを活用したビジネスモデルの刷新(デジタルトランスフォーメーションの進展)が各企業に求められています。

少子高齢化
今、日本の人口形態は単なる人口減少ではなく、若年人口の減少と高齢者層が増加していることが特徴です。今後、人口ピラミッドは大きく変化し、生産年齢人口比率の減少が加速していきます。そのため、企業は働く人材の確保のために、子育て後の女性やシニア人材、外国人など、従来より多様な人材を活用していく必要がでてきています。合わせて就業ニーズや勤労意欲などの価値観や働き方の多様化をどのように受け入れていくか考えていく必要があります。

この時代に対応していくためには

従来のような過去の延長線上に未来がある予見可能性が高い世界から、VUCA(ブーカ:Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ))時代に突入し、変化への適応力がより一層求められる世界に変化しています。その変化に対応した人材マネジメントが今日本の企業に求められているのです。

新卒一括採用や終身雇用に代表される企業内価値観、同質性を重視した「年功型のキャリア形成」から外部競争力を重視した「個人主体のキャリア形成」を支援するマネジメントを実施している企業が競争優位に立つようになってきました。

この時代に対応していくためには、「就社から就職」という意識変化を企業側も持つ必要があります。

「就社」は、職務、従事する仕事を定めずに人材を採用し、安定的な雇用確保の引き換えに職務範囲の限定をせずに雇用します。職能型、メンバーシップ型とも言われます。

一方、「就職」は特定の職務に対して人材を採用し、経験やスキルなどの職務遂行能力によって雇用します。職務型、ジョブ型とも言われます。

これまでの日本の企業はこの「就社」の概念が強い会社がほとんどでした。しかし、これからは企業側も人材採用や人材研修では職務型、ジョブ型が求められていことを意識していくことが重視されてきています。

次回はこれまでの日本の人材マネジメントとこれからの人材マネジメントを比較していきたいと思います。