今更聞けない人事の重要ワード、会社と従業員の関係を定義する「エンゲージメント」とは?

近年、人事の業界ではエンゲージメントという言葉をよく耳にします。しかし、その言葉の意味については意外と整理されていないのが実情です。今回は改めて『エンゲージメント』についてご紹介します。

エンゲージメントとは?

従業員の仕事や会社に対する考え・状態を表す言葉として、様々な言葉があります。例えば、モチベーション、従業員満足度、コミットメント、など。普段、混同して使われがちですが、実はそれぞれ意味が異なります。

「モチベーション」は従業員のやる気を意味しています。会社に対してというよりも、仕事に対して個人の中に内在する動機付け要因と捉えてもいいかもしれません。目標に向かって進む際の内的なエネルギーとなりますが、会社と従業員の方向性があっていることが大事なことです。
「従業員満足」は会社に対する従業員の満足度を意味しています。顧客満足度を高めるためには、まず従業員満足度を高めることが重要である、との考えのもとで取組みの推進が行われました。ただし、従業員が満足するためには会社がどのような環境を提供すればよいのか?といった、会社から社員に対する一方向の関係に向かいやすい傾向があります。
「コミットメント」は約束や責任のことを意味しています。矢印は社員から会社に向いており、所属している会社に対して全うすべき責務として捉えられます。
そして、「エンゲージメント」は会社と従業員の間におけるつながりの強さを表しており、従業員が自発的に持つ思い入れや貢献意欲のことを意味しています。矢印も従業員と会社における双方向の概念で表現されます。

なぜ重要視されているのか?

これまでは、モチベーションや従業員満足度を向上させることが会社の業績向上に結びつくという考えのもと、社員向けにサーベイや人事施策が行われることが多くありました。
しかし、最近ではそれらの内容に関して見直しを始める企業がでてきました。例えば、従業員満足は言い換えると「居心地の良さ」にも繫がる部分もあり、必ずしも業績向上へと結びつくものではないと考えられ始めています。

そんななか、いくつかの研究により「従業員エンゲージメント」の向上と業績向上には強い関係が示され、近年注目されるようになってきました。

この従業員エンゲージメントという概念は、日本ではまだまだ馴染みの薄い概念です。

アメリカの調査会社ギャラップ社が2017年に発表した従業員エンゲージメントに関する調査では、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかいないという結果でした。参考までにアメリカは31%。その他の国と比較しても大きく乖離がでています。
※調査結果はこちらから確認できます。

この調査結果からは、階層的なリーダーシップが強い半面、マネージャーがコーチングのような従業員の強みや・自主性を引き出すことが難しい状態であることや、日本独特の雇用制度や就業文化に基づいた組織中心の考え方が、逆に従業員の意欲を下げていることが伺えます。まだ日本企業では、従業員エンゲージメントを重視した経営が浸透していないことも要因と考えられますが、企業と従業員の間で強い信頼関係を築き、高い貢献意欲を醸成するためには、もっと個々の従業員のニーズや欲求に応える従業員中心の経営に移行する必要があるのかもしれません。

具体的なサービス

そんなエンゲージメントを定点観測をするためのツールをご紹介します。

Glint
https://www.glintinc.com/

2013年創業のアメリカ・カルフォルニアの会社です。
ミッションは、「Our mission is to help people be happier and more successful at work.(人々が職場でより成功、より幸せになる手助けをする)」。
組織の健康状態と表してエンゲージメントの状態を可視化し、どんなアクションをするべきかなどのインサイトを提供します。
数百名から数万名規模の会社まで、大小様々な企業が利用しています。
市場の期待も大きく、2016年には$27Mの追加調達をしています。

まとめ

ギャラップ社の調査結果でも分かるように、まだまだ日本では浸透しているとはいえない「エンゲージメント」という概念。しかし、自発的に貢献する意欲の高い社員が増えることで一人ひとりのパフォーマンスが向上し、それが最終的に組織力の強化につながっていくということは想像できます。

労働人口が減っていく現在、優秀な人材の確保は企業の重要課題にますますなっていきます。退職者を減らし、熱意を持って働く人を増やすためにも、まずは社員の現状を把握するためのエンゲージメント・サーベイを定点的に行い、そしてPDCAを回すことからスタートしてみてはいかがでしょうか。