自分の市場価値を定義する!エンプロイアビリティとは?

転職が当たり前になり、つい昔まで言われていた「35歳転職限界説」という言葉も過去のものになりつつあります。そんななか、自分の市場価値を定義する「エンプロイアビリティ」という言葉があるのをご存知でしょうか?今回はこの「エンプロイアビリティ」についてご紹介します。

エンプロイアビリティとは

「エンプロイアビリティ」とは、英語のEmploy(雇用する)とAbility(能力)を組み合わせて作られた言葉で、「雇用される能力」のことを言います。そのため、雇用をされて働くビジネスパーソンにとっては市場価値(マーケットバリュー)とも捉えられています。

終身雇用が崩壊し、就業形態の多様化など変化が進むビジネス環境において、社内だけで通用する特定の職務への習熟ではなく、企業の枠を超えて通用する汎用度の高い能力が問われるようになってきた今、変化への適応能力や問題解決能力、イノベーション力などが重視される傾向にあります。

厚生労働省の調査では、エンプロイアビリティを次のように定義しています。

「エンプロイアビリティの判断基準等に関する調査研究報告書」

エンプロイアビリティの定義:
エンプロイアビリティは、労働市場価値を含んだ就業能力、即ち、労働市場における能力評価、能力開発目標の基準となる実践的な就業能力

具体的な能力:
1.職務遂行に必要となる特定の知識・技能などの顕在的なもの
2.協調性、積極的等、職務遂行に当たり、各個人が保持している思考特性や行動特性に係るもの
3.動機、人柄、性格、信念、価値観等の潜在的な個人的属性に関するもの

引用元:https://www.mhlw.go.jp/houdou/0107/h0712-2.html

上記のうち、3は個人的かつ潜在的なものであるため、具体的・客観的に評価することは困難と考えられますが、1と2については評価基準を策定することが可能と考えられています。

厚生労働省では、若年層のキャリア形成を支援するために、若者就職基礎能力や社会人基礎力をベースとしたエンプロイアビリティチェックリストというものを公開しています。
訴求力のある自己 PR 材料を洗い出すためのシートとして活用することができますので、興味のある方はぜひチェックしてみましょう。

厚生労働省:エンプロイアビリティチェックシート

内的エンプロイアビリティと外的エンプロイアビリティ

エンプロイアビリティには、現在勤務している組織において継続的に雇用され続けるの能力という側面と、他社でも採用・活躍ができる能力という側面があります。
それぞれ、内的エンプロイアビリティと外的エンプロイアビリティと言われています。

内的エンプロイアビリティ:特定の組織で通用する能力
外的エンプロイアビリティ:組織を問わず通用する能力

内的エンプロイアビリティが不足していると、仮に所属している企業の業績が悪くなった場合に、リストラの候補者に挙がってしまう可能性があります。内的エンプロイアビリティを高めるには、特定の組織で必要とされる専門的な知識やノウハウなどが求められます。

一方、外的エンプロイアビリティは、企業や業種が変わっても転職できる、活躍できる能力を指しているので、市場で評価される、他の企業でも通用する能力を蓄積することが求められます。そのため、個人にとっても今後歩んでいきたいキャリアの方向性によって伸ばすべきエンプロイアビリティは変わってきます。

欧米では1980年代以降から長期雇用に代わる発展的な労使関係を構築するために外的エンプロイアビリティを高める支援を行うことが活発になっています。企業側には生産性やモチベーションの向上、優秀な人材の確保、従業員側にはマーケットでの自身の価値の維持・向上、キャリア形成というメリットが生まれ、労働市場の活性化につながっています。

日本では長らく内的エンプロイアビリティが重視されてきましたが、人材の流動化が進む現在では、外的エンプロイアビリティの重要性が認識されています。

まとめ

IT技術の発展や激しい社会変化に対応していくためには、エンプロイアビリティがますます重要な能力となるでしょう。
個人は常に自身のキャリア形成を見据えたエンプロイアビリティの向上をすることを意識し、企業側にとっても従業員のエンプロイアビリティを伸ばせる環境を整えることで結果として、自社の組織パフォーマンスの向上が期待できます。